タヌキとアライグマは仲良し?ーアライグマ観察編2

トレイルカメラを使ってアライグマとタヌキの関係について調べてみました。アライグマとタヌキが上手くやっている場面や、タヌキがアライグマに対して酷く怒っている様子などを紹介します。

記事作成日: 201710.22/記事更新日: 2019.12.09

タヌキとアライグマの関係を調べる

餌を食べる3頭のタヌキ
餌を食べる3頭のタヌキ
最初に紹介する2017年に撮影した時の様子です。この時トレイルカメラを設置したのは河川敷内の水門傍です。この場所は田んぼの用水路へ水を引き入れる場所で、周辺は近くに田畑と水田と住宅地が混在する地域です。観察をした10月ごろは用水路の水が少なく、河川敷内と河川敷外をつなぐ通路になっている可能性がありました。

捕獲したアライグマの子供
この地点で以前捕獲した
アライグマの子供
この地点は以前私がアライグマを捕獲した地点なので、アライグマいる可能性がとても高い場所でした。

調べる方法としては単純で、トレイルカメラを設置し餌を少々撒くという方法です。餌を撒くと餌付けになってしまうので、良いことではありません。しかし、カメラの前で十分留まらせるには、何か必要です。そこでドッグフードを撒くことにしました。結果はある程度意味のあるものになったと思います。

映るタヌキとアライグマ

野生のアライグマ
野生のアライグマ
写真はカメラを設置して数日後のものですが、最初の日からタヌキやアライグマを撮影することが出来ました。どうやら多くのアライグマやタヌキがいるようです。


アライグマは度々2頭が同時に映るので、最低2頭がこの辺りを頻繁に行き来しているようです。見た感じ子供なので、それが理由で行動を共にしているのかもしれません。


タヌキは最大3頭が同時に映っています。喧嘩したりはありませんが、2頭のタヌキはもう1頭のタヌキに対し、警戒したりしています。2頭で映ることが多いので、この2頭が普段から行動を共にしていて、そこへもう1頭が出くわして合流しているような雰囲気です。

餌場を共有するタヌキとアライグマ

多くのタヌキとアライグマ居ることが確認できたこの地点ですが、タヌキとアライグマが同時に食事をする光景も撮影することが出来ました。


お互い気にしているようで、微妙に距離を開けているのが分かります。ただ、目があっても暫くするとお互い無視したり、気にはなっているのですが争うなどはしません。

後半のタイムコード1:25を見ると、アライグマの毛が少し逆立っているようにも見えます。居ては欲しくないのかもしれません。


これはまた10月の別の日の映像です。今度はアライグマは完全にタヌキを無視して、餌を探したり食べたりしています。一方でタヌキは、アライグマをとても気にしているようです。後ろから慎重に近づきます。

それでも一度餌を食べてしまえば、前回同様にお互い距離を置いてもくもくと食べ始めます。

定点カメラで観察を続けて映った
タヌキがアライグマに威嚇する様子

タヌキがアライグマを威嚇する様子

この動画は2018年の7月に撮影したものですが、この時はタヌキのつがいがアライグマの母親らしき個体を追い払おうと、非常に強く威嚇していました。上の動画より切り出した画像で解説します。

観察用の箱でじゃれるアライグマの子供たち
観察用の箱でじゃれるアライグマの子供たち
(動画より画像切り出し)
最初の時点では観察用に設置した木箱にとても興味をしめしたアライグマの子供たちが、そこで遊んでいました。

母アライグマらしい個体を威嚇するタヌキ
(動画より切り出し)
動画で見るとわかりやすいのですが、木の左後ろから母親らしいアライグマを凄い勢いで威嚇するタヌキのつがいが現れます。子供たちも一目散に逃げていきました。木箱から出ようとしているのも、逃げ遅れた子供のアライグマです。

母アライグマらしい個体を威嚇するタヌキ
母アライグマらしい個体を威嚇するタヌキ
(動画より切り出し)
その後もタヌキは威嚇を続けます。画面中央にタヌキと母?アライグマが映っています。

普段からこの地点にはカメラを定点で置いてあり、けもの道になっているため餌などは基本的に置いていません。この時も餌などはありませんでした。タヌキとアライグマは良く通る場所ですが、普段は同時に映ることはありません。

この時初めてタヌキとアライグマが同時撮影されました。その後も一年以上カメラを設置して観察していますが、一緒に映ったのはこの時だけでした。威嚇することはおろか、タヌキとアライグマが一緒に映ること自体がレアケースです。

この映像を撮影した7月は、アライグマもタヌキも子供を連れて積極的に歩き回る季節です。なので、子供が近くにいてタヌキが攻撃的になったのかもしれません。

普段は喧嘩しないと思うが…

世間で言われているほど、アライグマとタヌキの関係は険悪ではないと思うのですが。時には争うようです。

映像から観察できることで、まず一つは雑食らしいやり方です。雑食になることのメリットに、一つの餌に拘らず戦いを避けるという考えがあります。タヌキもアライグマも結局は戦いを基本とするより、餌がある程度あるならお互い無視して好きに食べるという考えなのかもしれません。

そしてもう一つが、意外だったタヌキのほうが仕掛ける様子です。タヌキもアライグマも普段は攻撃的ではないと思いますが、時と場合によっては戦う時があるということです。しかも、どちらかといえばアライグマのほうが攻撃的かと思っていましたが、映像を見る限りでは逆でした。映像で分かるのは断片的なので、どうしてそうなったかはわかりません。自然界では予想出来ないいろいろなことが起きるということなんでしょう。

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