投稿

12月, 2019の投稿を表示しています

外来種はどうやってやって来るのか?

人が連れてきてその地域に根付いた生き物を外来生物と言っていますが、やって来る方法は様々です。今回はそこにスポットを当ててみたいと思います。 意図する時もしない時もある ・何かに付着してやってきた ・家畜や農作物として持ってきた ・持ってきた動物が何等かの理由で逃げ出した ・故郷や海外の生物をただ見たいから ・外来種にくっ付いて別の外来種が来た 簡単に説明すると以上のようなパターンがあると思います。 何かに付着してやってきた 事故的に持ち込まれたパターンです。このようなパターンで多いのは、植物の種、昆虫や小動物のような小型の生物、菌やウィルスのような目に見えない生き物です。 皆さんもご存じの通り植物の種はだいたい小さいものです。そして服にくっ付きやすいものもあります。なので、衣服や荷物にくっ付いたものが運ばれ、別の地域に根付くことがあります。羊毛が盛んなヨーロッパでは、羊毛に付着して生息地を広げた植物もあるとされています。 昆虫や小動物の場合は、荷物に自ら潜り込んで来て意図せず運ばれます。身近な生き物で言えばネズミです。船の荷物に紛れ、古くから世界中に広がっていきました。また、最近だと毒アリ騒ぎを起こしたヒアリも、コンテナに紛れ分布を今も広げています。変わり種だとヘビが、ちょうどよい暗がりを求めて飛行機や船に紛れたりします。 外来種とは少し違いますが菌やウィルスの場合、物に付着していてたり密航してきた動物に感染した状態で運ばれてきます。 家畜や農作物として持ってきた 人が生きるために食べ物や作業用として持ってきたパターンです。 羊、豚、牛、山羊などは放牧することで比較的簡単に食べ物や毛を得ることが出来、馬は交通網が発達するまでは移動手段として重宝されてきました。そのため世界中で古代から現在まで飼育されてきました。必ずしも囲いがしっかりしている場所ばかり放牧されていたわけではないので、逃げる個体もいます。また、人間が何らかの理由で放牧していたところから撤退するしかなくなり、家畜だけが取り残されることもあります。そうした動物たちが野生化し、外来生物となります。日本だと小笠原諸島の山羊などがあります。 余談ですが現在純粋な野生のウマは居ないと言われています。家畜化した馬が野生化した

外来種が居るとどんな影響がでる? 人間編

外来種によってどんな問題が引き起こされるか紹介していきます。人間にとってと生態系にとっての視点で紹介します。今回は人間にとっての問題です。 大きなことから小さな物まで ・物への被害 ・農業・漁業への被害 ・健康への被害 被害を大きく分けると3つになると思います。簡単に紹介すると建物の汚損などの物への被害、食害などによる農業への被害、さらに病気の媒介など考えられます。 物への被害 建物への被害 一番分かりやすいのは建物への被害です。このブログのメインで扱っているアライグマの例で言えば、破損に汚損やそれによる金銭的被害です 本来アライグマは木の幹に空いた穴のうろなどを巣にし、繁殖します。しかし、日本の森林やアライグマが新たに進出を始めている住宅街には、アライグマが入れるような大きなうろはありません。そこで住宅の屋根裏や壁に住み着くことがあります。そうなると、断熱材を破壊して巣材にしたり、糞で汚損したりします。汚損はただ汚くなるなら良いですが、最悪感染症の原因にもなります。 元々日本の居るイタチやモモンガにコウモリなども似たような問題を引き起こすこともありますが、最近はアライグマやハクビシンと外来生物による被害が多くなっています。 堤防などへの被害 ピーターラビットやペットのウサギで有名なアナウサギや、カピパラを小さくしたようなマスクラットにヌートリアは穴を掘る習性により、堤防を破壊する可能性があります。 元々アナグマやキツネなど穴を掘り堤防を破損させる可能性のある動物はいましたが、人間により生息域が狭められているので、あまり大きな問題になってはいませんでした。そこに新たな外来種が加わることで、危険を大きくしています。 補足ですが日本に多く生息するノウサギは、穴を掘った巣はおろかちゃんとした巣も持ちません。なので、堤防を壊すことはありません。 農業・漁業への被害 農業への被害 イノシシやシカにクマなど、在来の動物に農業被害を起こしていますが、それに加え外来種による被害も大きくなっています。 果樹への被害はカラスや猿など在来の動物による被害もありましたが、ハクビシンやアライグマは木登りがとても得意で果樹を好むので、被害が大きくなっています。どちらの動物も木に登りながら器用に果

タヌキとアライグマは仲良し?ーアライグマ観察編2

イメージ
トレイルカメラを使ってアライグマとタヌキの関係について調べてみました。アライグマとタヌキが上手くやっている場面や、タヌキがアライグマに対して酷く怒っている様子などを紹介します。 記事作成日: 201710.22/記事更新日: 2019.12.09 タヌキとアライグマの関係を調べる 餌を食べる3頭のタヌキ 最初に紹介する2017年に撮影した時の様子です。この時トレイルカメラを設置したのは河川敷内の水門傍です。この場所は田んぼの用水路へ水を引き入れる場所で、周辺は近くに田畑と水田と住宅地が混在する地域です。観察をした10月ごろは用水路の水が少なく、河川敷内と河川敷外をつなぐ通路になっている可能性がありました。 この地点で以前捕獲した アライグマの子供 この地点は以前私がアライグマを捕獲した地点なので、アライグマいる可能性がとても高い場所でした。 調べる方法としては単純で、トレイルカメラを設置し餌を少々撒くという方法です。餌を撒くと餌付けになってしまうので、良いことではありません。しかし、カメラの前で十分留まらせるには、何か必要です。そこでドッグフードを撒くことにしました。結果はある程度意味のあるものになったと思います。 映るタヌキとアライグマ 野生のアライグマ 写真はカメラを設置して数日後のものですが、最初の日からタヌキやアライグマを撮影することが出来ました。どうやら多くのアライグマやタヌキがいるようです。 アライグマは度々2頭が同時に映るので、最低2頭がこの辺りを頻繁に行き来しているようです。見た感じ子供なので、それが理由で行動を共にしているのかもしれません。 タヌキは最大3頭が同時に映っています。喧嘩したりはありませんが、2頭のタヌキはもう1頭のタヌキに対し、警戒したりしています。2頭で映ることが多いので、この2頭が普段から行動を共にしていて、そこへもう1頭が出くわして合流しているような雰囲気です。 餌場を共有するタヌキとアライグマ 多くのタヌキとアライグマ居ることが確認できたこの地点ですが、タヌキとアライグマが同時に食事をする光景も撮影することが出来ました。 お互い気にしているようで、微妙に距離を開けているのが分かります。ただ、目があっても暫くするとお互い無視したり