どの国に住んでる?ーアライグマ生息国編
今や身近な動物の一つとなったアライグマですが、もともとは日本の動物ではありません。元の生息国や日本でどうやって広がってきたか、日本以外での分布拡大について紹介します。
アライグマは北米の生き物
アライグマ(かみね動物園) |
アライグマは元々日本に居た生き物ではなく、北米大陸に住む動物です。アメリカ本土が主な生息地で、北限がカナダ南部地域の草原から・南限がメキシコのパナマの辺りとされています。生息地から分かるように、雪が降るような寒さから南国に近い気候と、幅広い気候に対応することが出来ます。アメリカでは日本でいうタヌキのような身近かつ、代表的な生き物です。
なぜ日本にいるのか?
本来日本に居ないアライグマが野生化してるのは、ペットとして輸入されたからです。ヨーロッパでも野生化していますが、日本とは少し事情が違います。
日本へ初めてやってきたアライグマは、1900年代に上野動物園にやってきた個体だとされています。その後暫く大きな動きはありませんでしたが、大きな変化が起きたのは「ラスカル」の放映です。「はるかなるわがラスカル」というエッセイを元にテレビアニメ「あらいぐまラスカル」が1977年に放映され、一気に人気動物となります。その後ペットとして最盛期には年間1500頭のアライグマが輸入され、2005年に特定外来生物に指定されるまで続きました。動物園などの飼育施設から逃げ出すこともあったようですが、大繁殖の原因となったのは間違いなくペットで、逃げ出したり飼いきれなくなって逃がしたのが主因です。
最初は数も少なくあまり問題になることはありませんでしたが、2000年代ごろから問題が大きくなっていきました。そして、今では日本全国どこにでもいる動物となりました。人間の都合で連れてこられた上に勝手に捨てられ、今度は悪者扱いされているのだから酷い話です。
最初は数も少なくあまり問題になることはありませんでしたが、2000年代ごろから問題が大きくなっていきました。そして、今では日本全国どこにでもいる動物となりました。人間の都合で連れてこられた上に勝手に捨てられ、今度は悪者扱いされているのだから酷い話です。
少し異なるヨーロッパの事情
一方ヨーロッパでは事情が違います。1920年代にフランスやドイツで、毛皮用に飼育が始まりました。その後ドイツで1930年代に、狩猟用として放たれました。この頃は今と違い、ヨーロッパやアメリカなどでは新しい外来動物が狩猟用から観賞用と、様々な理由で野に放たれていたのです。そして、第二次大終戦頃に飼育場で飼われていた個体も逃げ出したりがありました。
それらの理由で野に放たれた個体が少しづつ広がり、1970年ごろには周辺国ドイツの周辺国やフランスで、確認されるようになっていきます。そして今ではヨーロッパの殆どの地域で確認され、中央アジア近辺までいるともいわれています。
今のところヨーロッパでアライグマを問題視し対策ているのはドイツぐらいで、他の国ではあまり問題にしていないようです。
※参考文献
長谷川 由美、宮下 実(2015)「外来生物アライグマの世界侵略について (1)ヨーロッパにおける現状調査」・岩下 明生(2016)「アライグマ(P r o c y o n l o t o r )防除事業 のための分布域と相対密度に関する研究 」・環境省「アライグマ排除の手引き」
それらの理由で野に放たれた個体が少しづつ広がり、1970年ごろには周辺国ドイツの周辺国やフランスで、確認されるようになっていきます。そして今ではヨーロッパの殆どの地域で確認され、中央アジア近辺までいるともいわれています。
今のところヨーロッパでアライグマを問題視し対策ているのはドイツぐらいで、他の国ではあまり問題にしていないようです。
※参考文献
長谷川 由美、宮下 実(2015)「外来生物アライグマの世界侵略について (1)ヨーロッパにおける現状調査」・岩下 明生(2016)「アライグマ(P r o c y o n l o t o r )防除事業 のための分布域と相対密度に関する研究 」・環境省「アライグマ排除の手引き」
今後も日本で増え続ける
既に全国へ広がっていますが、アライグマは繁殖力が強く今後も増え続けると予想されています。地域レベルで見れば生息していない所もありますが、時間の問題です。今いるところは、更に増え続けるでしょう。
これは既に問題になっていることが、更に拡大することを意味します。そんな時だからこそ、出来るだけ先入観を捨てて正面から向かい合うべきだと思います。
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