得意なことは?ーアライグマ特徴編
広く知られていることからあまり知られていないことまで、アライグマの特徴を紹介します。
記事作成日: 2017.09.17/記事更新日:2021.04.19
毛の色は茶色から灰色と、個体や体の部位によっても結構異なります。タヌキもアライグマも似たような色の毛を持っているので、残された毛などで判別するのはかなり難しいと思います。
細かい違いとしてはアライグマには尻尾にしましまがありますが、タヌキにはありません。尻尾の長さもアライグマのほうが長く、タヌキは短めです。目の周りが黒かったりと顔つきもぱっと見は似ていますが、アライグマはひげが白くタヌキは黒です。
日中であれば特徴さえ押さえれば、違いをはっきり感じると思います。その反面夜間や一瞬しか見れなかった場合、見た目で判断するのは難しいです。
ただ、竹筒ぐらいであればがっちり掴んで上ることも出来るので、ツルツルの素材でも筒状のものであれば、ある程度登ることが出来ます。
また、特徴的な手を持つだけあって、足跡も特徴的です。人間のような5本指の足跡をつけるのはアライグマだけなので、もしその足跡があれば間違いなくアライグマが近くにいます。
よく目が悪いと言われますが、本当に目が悪いかは微妙なところだと思います。人間の基準で言えば目が悪いかもしれませんが、アライグマ達にとって最適化されているからそうなるだけだと思います。罠の形も判別すると言いますし、目が悪いというより発達している手や鼻を使うという感じだと思います。
記事作成日: 2017.09.17/記事更新日:2021.04.19
タヌキじゃないよアライグマだよ
アライグマはタヌキによく似ていると言われますが、よく見ると結構違います。それは動物としての種類が根本的に違うからです。タヌキはイヌ科で犬に近く、アライグマはアライグマ科となっています。アライグマとタヌキを比較しながら紹介していきます。
毛の色
高齢アライグマ(井の頭動物園) |
冬毛のホンドタヌキ (智光山公園こども動物園) |
日中であれば特徴さえ押さえれば、違いをはっきり感じると思います。その反面夜間や一瞬しか見れなかった場合、見た目で判断するのは難しいです。
体の大きさ
胴頭長(頭から尻尾の付け根までの長さ)は40~60cmで、オスのほうが大型の傾向です。一方タヌキは一回り小さい程度の大きさです。
体重は4~10kgで、こちらもオスのほうが重い傾向です。10kg近い個体はオスでも珍しく、10kgを超える個体更に珍しいですが捕獲されることもあります。冬はあまり動くなくなるので、脂肪を蓄えます。そのため季節による変動もあります。対してタヌキは3~5kgと半分程度です。
タヌキもアライグマも冬眠はしない動物ですが、アライグマは活動を最小に抑えます。近所の個体を観察すると、タヌキは冬も比較的よく活動しているの対し、やはりアライグマは最低限の活動に留めているようです。
タヌキもアライグマも冬眠はしない動物ですが、アライグマは活動を最小に抑えます。近所の個体を観察すると、タヌキは冬も比較的よく活動しているの対し、やはりアライグマは最低限の活動に留めているようです。
特徴的な手
餌を食べるアライグマの子供(捕獲) |
アライグマの手足は、人間のようにはっきり5本指に分かれています。前足に比べ後ろ脚のほうが縦長だったり、非常に特徴的です。触るとすべすべでぷにぷにしていて、最高の触り心地です。よく犬や猫の肉球の触り心地が挙げられますが、それが霞む程度の触り心地です。一方タヌキはイヌ科だけあって、犬の足とほぼ同じです。
爪はアライグマもタヌキも鋭く、もし触ることがあれば注意すべきです。どちらも猫のように爪を出し入れすることはできません。
人のようなアライグマの手足 |
アライグマは指が分かれているため、いろいろな物をつかむことが出来ます。そのため扉や簡単なロックや針金など、人工物も平気で使えます。そして木に登るのも得意で、ぷにぷにの足と爪を使って登っていきます。金網のような人工物であっても同様に登りますが、ツルツルの鉄板などは流石に登れません。なので、鳥の保護では巣のある木の根元を、鉄板で覆う対策がされることがあります。
竹筒を登るアライグマ(かみね動物園) |
また、特徴的な手を持つだけあって、足跡も特徴的です。人間のような5本指の足跡をつけるのはアライグマだけなので、もしその足跡があれば間違いなくアライグマが近くにいます。
目よりも手や鼻
目も使いますが、まずは手で対象をべたべた触ってきます。そして鼻でフンフン臭いをかいで、食べれるか判断したりします。何か変わったものを差し出した時も、触ってきたりします。やはり手で触るというのが、非常に重要なようです。よく目が悪いと言われますが、本当に目が悪いかは微妙なところだと思います。人間の基準で言えば目が悪いかもしれませんが、アライグマ達にとって最適化されているからそうなるだけだと思います。罠の形も判別すると言いますし、目が悪いというより発達している手や鼻を使うという感じだと思います。
水は好き?
水の中の餌を探すアライグマ(かみね動物園) |
水がどの程度好きかは正直よく分かりませんが、捕まえたアライグマに水を与えるためにホースで水をやったらその水を触っていたので、嫌いではないと思います。少なくとも水辺に住むので、泳ぐのは得意です。
アライグマが住んでいる地域の方に以前話を伺ったのですが、台風の後冠水した地域をアライグマが泳いでいたそうです。私の調査でも、体が濡れていて水の中を泳いできたと思われるアライグマが、カメラに写っていることもありました。
上の写真は動物園のアライグマですが、水の中の餌を積極的に探していました。アライグマは水中のザリガニやカエルなども食べるので、水の中で手探り獲物を探すのは得意です。
とにかく賢い
アライグマは賢い動物と言われています。その頭脳と器用な手先を使い、農作物に被害を出し度々農家を悩ませています。
アライグマの知能の高さを示す有名な話として、有名なテストをクリアした話があります。そのテストは水の入った筒に浮いた餌をどうやってとるかというもので、その筒に石などを入れて水の嵩を増して餌が上のほうにまで来たら餌がとれるというものです。このテストは霊長類や一部の知能の高い鳥類しかクリアできない難しいもので、アライグマもこのテストをクリア出来た数少ない動物です。
子育ては一人だけ
子供達を連れる母アライグマ |
タヌキやキツネなどのイヌ科の動物の多くは、オスとメスの番で子育てします。しかし、アライグマの場合はメスだけで子育てし、特定のオスと番になるわけでもありません。
巣は木のうろや家の屋根裏や地面の穴など、文字通り巣穴と呼べるような場所を探し、巣にします。そして4月から6月ぐらいまでに子供を3~4頭生みます。暫くすると親について外を歩くようになり、秋から来年の春までに親離れします。
実はレッサーパンダとは遠い親戚
尻尾がシマシマで動物に詳しくない人が、「レッサーパンダだ!」などと言われるアライグマですが、実際遠い親戚ではあります。
レッサーパンダ・アライグマ・イタチは共通の祖先を持っていて、レッサーパンダとアライグマ・イタチの祖先がまず枝分かれし、その後アライグマとイタチに分かれたと考えられています。
なので「レッサーパンダだ!」という誤解も、実は一理ある部分もあります。
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