どこに住んでる?ーアライグマ生息地編

実は身近にアライグマは住んでいます。しかし、夜行性ということであまり気づかれていません。そんなアライグマが好む住処や行動圏を紹介します。

実は都市部でも

本来は森に住み、水辺を中心に活動する動物です。しかし、非常に適応性の高い動物なので、アメリカでは都市の中でもみられる動物です。日本では幸いそこまでではありませんが、東京都区内でも大きな河川敷の近くには住んでいるとされています。実際に少数ですが、目撃例もあります。

日中と深夜はお休み

アライグマは基本的に夜行性です。日の入り前後から日の出前後までが一般的な活動時間と言われています。人間と同じでお昼休み?もとります。深夜0時前後は活動が弱くなるようです。他の動物も日の出と日の入り前後が活発に動くので、小動物も捕食する関係もあるのかもしれません。

うちの近所は相当の数が生息している地域ですが、夜行性という性質上生息していることを知っている人はあまりいないようです。なので、都市部でももっとしっかり調べてみれば、また違う結果が見えてくるかもしれません。

水辺がお気に入り

アライグマと名のつくように、水辺を特に好みます。川や池・湖に水路と、水が流れているところのそばを好みます。アライグマが沢山いる地域であれば、水辺で痕跡を見つけるのも容易です。

近所の川を散歩がてら調査してみました。水辺のアライグマは川沿いに移動し、浅瀬や水が干上がりかかった水たまりの生き物を探しているようです。水たまりのぬかるみにはアライグマやタヌキの足跡をたくさん見つけることが出来ました。護岸工事がされた川の法面には、汚れた足で歩いたために出来た足跡もありました。

田んぼも大好き

水辺に似た環境ということで大好きなのは田んぼです。田んぼに水が張られると沢山生き物でにぎわいますが、それを狙いに来ます。稲の生育を助けるため一時的に水を抜きますが、そうした田んぼは特にお気に入りのようです。タヌキとアライグマの足跡を同時に見つけることが良くでき、ハクビシンはたまに見つけられました。ハクビシンは果物などを特に好む動物なので、たまに田んぼにも行くという感じなのかもしれません。

本来は木のうろがねぐら

アライグマの生活に欠かせないのは、大きな木のうろです。うろとは木に空いた穴のことで、比較的大きな木のうろを巣にしたりします。木のうろが無い時は、他の動物が掘った穴を利用したり、何かの隙間を利用します。

アライグマは基本的に自分で巣を作らないと言われているので、そういった自然に出来た穴を利用するのです。

家だって大好き

適応力がとても高い動物なので、人工物も積極的に利用します。倉庫・人家・仏閣などに隙間があれば入り込み、そこを巣にすることもよくあります。間伐や庭の手入れで木が積んであればその下に、牧草用のロールにも入り込んだりします。雨風がしのげるところであれば、人工物であろうと問題ないのです。

ほったて小屋のようなところに住むこともありますが、どちらかというとしっかりした構造のほうが好きです。そのため住み着きやすいのは、無人の仏閣や空き家です。構造的に住み着きやすい上に、人がおらず破損して隙間が出来ていたりで、安心して簡単に住み着きやすくなっていることが多いのです。

移動範囲は餌次第

アライグマの移動範囲は餌の量によります。餌が多ければ狭い範囲で生活しますが、少なければ広い範囲を巡回して餌を探します。そのため一匹のアライグマが持つねぐらは、一つとは限りません。状況に合わせ複数使ったりします。

タヌキと似た行動圏?

自然の地形で水辺があれば、それに沿った部分が移動経路となります。陸上では一般的に言われる獣道と呼ばれるようなものも使います。私が調べている地域では、アライグマとタヌキの行動圏がほぼ一致しています。なので、タヌキが居る場所のすぐそばには、アライグマがいる可能性が非常に高いです。

側溝は動物たちの道路

身を隠しながら移動しますが、それが十分でない場所もあります。その場合も堂々とは歩きません。側溝を利用して移動します。

特に田畑がある地域では、用水路や側溝は網目状に張り巡らされています。なので移動経路にはまったく困らないのです。アライグマ以外の野生動物たちも、これら水路を使い身を隠しながら移動したり、田畑へ出没するのです。

他の動物の巣穴を奪うか?

タヌキもアライグマ同様に巣穴を基本的に作らないと言われています。そして行動圏がかぶっている来ていれば、巣穴になるような場所が少なければ競争になる可能性は十分あると思います。

高いところに巣を作ることも出来るので、それらが十分にあれば競争は避けられるかもしれません。ですが、それが理由でフクロウがいる地域では、競合している報告もあります。アライグマやフクロウが入れる木のうろというのは限られていて、この点は問題だと思います。埼玉県にある秋ヶ瀬では、フクロウ用に設置された巣箱にアライグマ住み着いたという話もあります。

この巣箱に関して少し話がずれますが、自然保護という観点よりバードウォッチング目的で設置されたようです。人間のややこしい事情も考えると、これに関してはアライグマを責めるのは酷な気もします。一つ言えるのは、貴重なデータにはなったということです。

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