アナグマーアライグマと愉快?な仲間たち編

身近な動物でアライグマとも混同さやすい動物の一つとして、アナグマの生態や特徴を紹介します。
記事作成: 2019.05.02/更新: 2020.08.25

タヌキムジナのムジナ

かみね動物園のアナグマ
アナグマ
(かみね動物園)
アナグマはイタチ科の中型動物です。体重は4~15kg程度と幅があり、大きさも日本国内でも幅があります。日本では本州から九州にかけて生息します。海外ヨーロッパからロシアにかけてユーラシア大陸全土に生息し、日本が最東端の生息地です。

大きな巣穴を作り、その巣を他の動物も利用します。春に子供を産み、秋には巣立ちます。冬になると活動を落とし冬眠に近い状態となりますが、九州など温かい地域では活動を続ける場合があります。身近な動物ですが、まだまだ分からないことも多い動物です。

・夜行性
・イタチの仲間で穴掘り名人
・雑食性
・ハクビシンと間違えられる
・九州では絶滅危惧?

※参考文献
農林水産省 「野生鳥獣被害防止マニュアル -アライグマ、ハクビシン、タヌキ、アナグマ- (中型哺乳類編)」

やっぱり夜行性

アライグマ、ハクビシン、タヌキなどの例に漏れず夜行性です。基本的には夜行性の動物です。

イタチの仲間で穴掘り名人

アナグマのツメ
アナグマのツメ
(かみね動物園)

イタチと言えば俊敏で身軽で、木登りも得意です。アナグマもイタチの仲間なのですが、木登りは苦手です。その代わり穴掘りが非常に得意で、大きな巣穴を掘ります。ツメも発達していて、穴を掘るのに適した形となっています。この穴掘りに特化するために筋力が発達もしましたが、それが原因で俊敏さや木登りは苦手になってしまいました。

アナグマの幼い個体
アナグマの幼い個体
(かみね動物園)
見た目もイタチがスラっとしているの対して、少しずんぐりむっくりという感じです。上の写真の個体はおそらくまだ若い個体なので、毛もフワフワで余計に丸っこいフォルムをしています。

アナグマの巣穴をキツネやタヌキが間借りすることがあります。これがいわゆる同じ穴のムジナというやつです。同じ穴には住んでいるものの、タヌキなど間借りする側が警戒することで鉢合わせすることを避けているようです。

ただ、この穴掘りが得意というのが若干厄介で、河川敷の堤防に穴をあけてしまうことがあります。堤防の芝生があまり張っていない弱い部分に穴をあけ、堤防の下にに巣穴を構築してしまいます。

※参考文献
島田将喜、落合可奈子 (2016)「アナグマ(Meles anakuma)とタヌキ(Nyctereutes procyonoides)が利用する巣穴付近における行動の違いと時間的ニッチ分化」(哺乳類科学)・村瀬 勝彦、野坂 正、佐藤 博志、野中 裕二、亀山 直幸、川原 輝久、土井 美智子 「河川堤防における小動物の巣穴対策について」

ミミズなどを食べる雑食性

雑食性の動物で、何でも食べます。植物性のものも食べますが穴を掘るのが得意というのを生かして、ミミズを中心に地上生の昆虫などを多く食べるとされています。

そのため腐葉土の多い広葉樹の森林が、特に住みやすい環境と考えられます。

ハクビシンじゃないよアナグマだよ!

twitterを見るとハクビシンと検索したらアナグマが出てきたり、結構勘違いされることが多いようです。アナグマのほうが日本では先輩なのですが、それだけハクビシンが増えてきたということなのかもしれません。また、ハクビシンは住宅街にも進出や適応してきているので、目撃する機会に偏りがあるのかもしれません。

九州では絶滅危機?

最近の研究で九州のアナグマに絶滅の恐れがあるというものがありました。意図的な乱獲ではなく、一般的な農作物の食害被害による捕獲による駆除で強い影響を受けている可能性があるというものです。特に鹿児島のアナグマは生息数の1年で3割にまで減った可能性があり、非常に深刻な状態になっている可能性があります。しかし、アナグマ自体の生態や数に不透明な部分が多く、本当の実態や有効な保護策をどうすべきかが分からない状況にあります。

手塩にかけた農作物に被害が及ぶのは辛いことですし、捕獲のような対策が必要な時もあると思います。しかし、害獣被害は予防をしないことには無くならないことや、アナグマが居なくなることで生態系が乱れ別の農作物被害が発生する可能性もあります。アナグマだけでなく人間のためにも、違った農作物被害の方法が求められます。


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