投稿

アメリカザリガニー日本の外来生物たち

 最もポピュラーな外来生物であるアメリカザリガニについて紹介します。最初ではアメリカザリガニが現在も違法ではないという法律的なこと、次に生態やか環境に対する問題を紹介します。 記事作成日: 2021.04.18/記事更新日: 2021.10.06 今の法的な扱いでは飼育や捕獲は可能だが最大限の注意を 記事を書いた2021年10月の時点ではアメリカザリガニについては特別な罰則は無く、今まで通りで大丈夫です。しかし、アカミミガメと共に新たな形の規制の検討がされています。 まだ決定ではありませんが特定外来生物と同じく輸入・販売・移動を禁止する反面、特定外来生物と違い飼育や譲渡は認める方向のようです。2021年度中にこの内容で検討され、修正などが必要場合行った上で、正式な決定になる見込みです。 現在は特別な規制は無いものの生態系への影響を考えれば、モラルの問題として取り扱いしっかり考えてください。ちゃんと調べたつもりですが誤りがあることもあるので、気になる点はご自分でも環境省のホームページなどで調べて下さい。 ザリガニのうちアメリカザリガニとニホンザリガニ以外は、全てのザリガニが既に特定外来生物に指定されています。2020年11月2日以降から新しく飼育を始めたり、生きたまま移動させたり、販売、繁殖、輸入などが出来なくなりました。違反した場合は懲役や罰則があります。今まで飼っているザリガニついては、アメリカザリガニ以外も2021年5月までに申請することで飼育継続が可能と変更となりました。 理由はいくつかありますが生態系への影響、特にザリガニペスト菌を在来種のニホンザリガニへ媒介しないようにするためと言う点が重視され決められました。 一方ニホンザリガニは国内在来種なので本来規制はありませんが、秋田県では生息する水路がニホンザリガニ南限の生息地として天然記念物に指定されています。そういったケースなどは、捕まえたりすると罰則がある場合があります。もっとも秋田県のその生息地の近くにはニホンザリガニまだいますが、その生息地自体は宅地開発でニホンザリガニは居なくなってしまっています。 アメリカザリガニは以前と同じく、生態系被害防止外来種の緊急対策外来種に指定されたままになるだけです。何だか物々しい言い回しですが、特定外来生物に指定されない限りは制限や罰則は無いので特別心配はありま...

危険な病気を持ってる?ーアライグマ危険な感染症編

アライグマが媒介する可能性のある病気は様々ありますが、誤解されているケースがよく見られます。過剰に考えることも過小に考えることも、感染症対策としては不適切だと思います。この記事では環境省が発表している「アライグマ防除の手引き」に記載されている中で、アライグマが持っていて相対的に人が感染する可能性は少ないものの、万が一発症すると危険な感染症について紹介します。また、最近新たにアライグマとの関係が分かってきたSFTSについても紹介します。 とても重要な問題なため、出来るだけ誤りの無い用に記述したつもりです。しかし、もし間違いがあった場合は、ご指摘頂けると助かります。 記事作成日: 2018.02.14/記事更新日: 2021.05.21 狂犬病やアライグマ回虫症は持っていないが… よく勘違いされる例として狂犬病とアライグマ回虫症の話です。どちらも治療が困難で死に至る可能性のある危険な病気です。日本のアライグマは今のところ、どちらについても保有している可能性は低いとされています。なので、過剰に反応する必要はありませんが、今後も絶対に大丈夫とは言えません。それがどういうことか、詳しく紹介します。 哺乳類なら殆どが感染する狂犬病 狂犬病はウィルスが原因の病気で、発病すると治療することはほぼ不可能で死に至ります。世界中で数万人以上の死亡者が毎年出る中、治療できたのは世界でも数例です。しかし、ワクチンを事前に接種することで予防できるほか、体内にウィルスが侵入しても即時発病しません。発病には通常1~3か月の潜伏期があり、長いと数年となります。その性質のため、感染の疑いがある時にすぐにワクチンを接種すればかなりの確率で助かります。 ウィルスがどうやって体内に侵入するかですが、狂犬病に感染した動物がほかの動物にかみつくなどして、体液に含まれるウィルスが傷口などから侵入します。そのウィルスが神経に侵入し、時間をかけて脳神経へ到達します。よくある例としては犬です。狂犬病に感染すると錯乱状態になるので、人に噛みついてきて感染します。 非常に危険な病気のため、世界中で根絶が目指されています。厚生省のホームページによると、2018年現在根絶が確認されているのは「日本・イギリス・オーストラリア・ニュージーランド・スカンジナビア半島の一部地域」とされています...

ウシガエルー日本の外来生物たち

 誰もが一度は聞いたことのある身近な外来生物ウシガエルについて紹介します。前半はウシガエルの生態や日本での状況、後半はどうして日本に広がったかと農家や外貨獲得を支えたウシガエルの歴史を紹介します。 名前通りの牛のようなカエル ウシガエルは名前の通り牛のような大型のカエルです。英語でも「American bullfrog」で直訳すればアメリカウシガエルです。元々はアメリカの西海岸側半分が生息地ですが、アメリカ東海岸側や外来種として日本全国・アジアやヨーロッパや南米の一部地域など海外にも進出しています。 カエルと言えば水が必要な生き物ですが、水辺に住むカエルとアマガエルのように水辺以外を中心に住むカエルが居ます。ウシガエルは水辺を好む夜行性のカエルで、川の淀みや池や沼のような緩やかな流れがあり水草や草の生えている場所を好みます。オスは縄張りを持ちます。 大きさは11cm~18cmです。重さは最初は130g程度ですが成長すると500g程になり、小さいペットボトル1本分にもなります。非常に大きい個体だと750gにもなります。日本に住むカエルでは最も大きなカエルです。 アメリカでも日本でも5~9月頃産卵し、日本では水草が多い場所に6,000~40,000個もの卵を産みます。トノサマガエルが1,800~3,000なので、以下に多いか分かります。数日で孵化しその年に大人に個体も居ますが、日本では2~3年かけてオタマジャクシから大人のカエルになります。大人は冬に寒いと冬眠することも出来ますが、冬眠しない場合もあります。平均寿命は資料が見つかりませんでしたが、7~8年は生きます。 特定外来生物に指定されているため、生きたままの移動や飼育・販売などは許可なしにはできません。特別な許可無しに捕獲した場合、外来生物法は死んでいる場合適用されないのでその場で処分するか、外来生物法でも認められる「その場」で生きたまま逃がしてやるかのどちらかになります。捕まえた場所以外に放す場合は、当然違法です。 ※参考文献 環境省「特定外来生物ウシガエル中国・四国版」、IUCN RES LIST、国立環境研究所 侵入生物データベース、ナショナルジオグラフィック 動物図鑑 ウシガエル 何でも食べる大食漢 カエルは口に入れば何でも食べてしまうと思いますが、ウシガエルは口が大きいので昆虫・小型哺乳類・小型鳥...

得意なことは?ーアライグマ特徴編

イメージ
広く知られていることからあまり知られていないことまで、アライグマの特徴を紹介します。 記事作成日: 2017.09.17/記事更新日:2021.04.19 タヌキじゃないよアライグマだよ アライグマはタヌキによく似ていると言われますが、よく見ると結構違います。それは動物としての種類が根本的に違うからです。タヌキはイヌ科で犬に近く、アライグマはアライグマ科となっています。アライグマとタヌキを比較しながら紹介していきます。 毛の色 高齢アライグマ(井の頭動物園) 毛の色は茶色から灰色と、個体や体の部位によっても結構異なります。タヌキもアライグマも似たような色の毛を持っているので、残された毛などで判別するのはかなり難しいと思います。 冬毛のホンドタヌキ (智光山公園こども動物園) 細かい違いとしてはアライグマには尻尾にしましまがありますが、タヌキにはありません。尻尾の長さもアライグマのほうが長く、タヌキは短めです。目の周りが黒かったりと顔つきもぱっと見は似ていますが、アライグマはひげが白くタヌキは黒です。 日中であれば特徴さえ押さえれば、違いをはっきり感じると思います。その反面夜間や一瞬しか見れなかった場合、見た目で判断するのは難しいです。 体の大きさ 胴頭長(頭から尻尾の付け根までの長さ)は40~60cmで、オスのほうが大型の傾向です。一方タヌキは一回り小さい程度の大きさです。 体重は4~10kgで、こちらもオスのほうが重い傾向です。10kg近い個体はオスでも珍しく、10kgを超える個体更に珍しいですが捕獲されることもあります。冬はあまり動くなくなるので、脂肪を蓄えます。そのため季節による変動もあります。対してタヌキは3~5kgと半分程度です。 タヌキもアライグマも冬眠はしない動物ですが、アライグマは活動を最小に抑えます。近所の個体を観察すると、タヌキは冬も比較的よく活動しているの対し、やはりアライグマは最低限の活動に留めているようです。 特徴的な手 餌を食べるアライグマの子供(捕獲) アライグマの手足は、人間のようにはっきり5本指に分かれています。前足に比べ後ろ脚のほうが縦長だったり、非常に特徴的です。触るとすべすべでぷにぷにしていて、最高の触り心地です。よく犬や猫の肉球の触...

タヌキーアライグマと愉快?な仲間たち編

イメージ
身近な動物でアライグマとも混同されやすい動物の一つとして、タヌキの生態や特徴を紹介します。写真は全てホンドタヌキです。 記事作成日: 2019.04.27/記事更新日: 2021.04.19 日本古来の動物 ホンドタヌキ (かみね動物園) ・夜行性 ・都心から田舎まで神出鬼没! ・家族思い? ・実は木登りもちょっと出来る ・何でも食べる雑食性 ・家は賃貸派 ・欧州ではアライグマと同じく外来種 特徴を簡単に上げると以上になります。一つづつ見ていく前に、概要をおさらいしましょう。 冬毛のタヌキの横顔 タヌキはイヌ科の中型動物です。大きさとしてはネコより気持ち大きいぐらいですが、外見はおおよそ同じくらいです。体重は3~5kg程度と軽いです。丸い顔の印象ですが、横からみるキリっとしていてイヌ科の動物らしさを感じます。 日本では沖縄を除き生息します。海外ではベトナムからロシアにかけて沿岸部側に生息しているほか、外来種として毛皮用にロシアから持ち込まれた個体が東ヨーロッパを中心に生息し、生息を拡大しています。 日本では様々な場所に生息し相当数生息していますが、IUCNのRED LISTを見ると東アジアでの生息数は不明な部分が多いようです。一方で外来種としてはフィンランドなどに相当数生息してるのが紹介されています。 日本のタヌキは亜種という細かい区分で分類した場合、北海道に住むエゾタヌキとそれ以外の本州などに住むホンドタヌキに分類できます。基本的には同じ様な生態や特徴を持ちますが、エゾタヌキのほうが少し体が大きく毛足が長く寒冷地に対応できるようになっています。恒温動物の同じ種や似た種では寒いほうが体が大きくなる典型的なベルクマンの法則に当てはまるタイプです。 冬眠する生き物ではありません。春先に子供を産み、秋には育ちます。そして秋には冬へ向けて脂肪を蓄え、冬眠せず冬を乗り切ります。私の観察でも、タヌキは冬にも行動する姿を確認しています。一方で寒さのより厳しいエゾタヌキは冬眠はしないものの冬の行動をかなり抑えます。アライグマやアナグマも寒さの厳しさで行動が変わるので、タヌキも似たような生態を持つのだと思います。 夏毛のホンドタヌキ (夕方の写真で色味が黒っぽくなっています) 上の写真と同じタヌキ 冬毛と夏毛があり、冬はモコ...

アライグマとタヌキの違いって?ーアライグマと愉快?な仲間たち編

イメージ
  遠目で見ると同じように見えても近くで見ると結構違うアライグマとホンドタヌキの違いについて、かみね動物園で撮影した実際の個体の写真と比較して紹介します。比較はホンドタヌキですが、エゾタヌキでも特徴は概ね同じです。 タヌキは犬の仲間!アライグマはアライグマ! どちらでしょうか? それぞれがどんな動物の仲間かで見ると違いが見えてきます。タヌキはイヌ科なので、基本的には体の特徴が馴染みある犬に似ています。一方でアライグマはアライグマ科で、イヌ科のタヌキと比べると随分変わっている印象を持つことが出来ると思います。 ですが気になる人が多いであろう見た目の特徴を先に紹介し、次に体の特徴から違いを見ていきたいと思います。 注意して頂きたいのは、アライグマもタヌキも冬毛の写真です。夏になるとどちらも毛が短くなり印象が変わります。特にタヌキはだいぶ痩せて見えて印象が変わるので、見慣れない人は別の生き物に見えるかもしれないので、注意が必要です。 顔や体の模様は似ているけど少し違う 見慣れてくれば全然違うと感じるのですが、暗がりであったりぱっと見では両者はかなり似ています。あとで解説しますが私としては見た目より全速力での走り方の違いのほうが、よっぽど分かりやすい気がします。 ・鼻筋→アライグマ黒・タヌキ白 ・耳のふち→アライグマ白・タヌキ黒 ・ヒゲ→アライグマ白・タヌキ黒 ・足→アライグマ白・タヌキ黒 ・尻尾→アライグマ縞々・タヌキ白っぽい 主な違いは上げた5点ですが、ざっくり言うとタヌキのほうが黒っぽい傾向にはあります。ただ、毛色はアライグマもタヌキも個体によってばらつきがあり、暗がりだと分かりにくいので難しいところです。 ホンドタヌキ アライグマもタヌキも目の周りが黒く縁どられていますが、タヌキは鼻筋が白くなっているのが比較的大きな特徴です。ただこれも、日の当たり具合や個体によって色の見え方が違うので、暗がりだと見分けるのは難しいと思います。 ホンドタヌキ この写真は上の写真と同じ個体のタヌキです。光や角度の違いで鼻筋の色がだいぶ違って見えるのが分かると思います。 アライグマ 次に細かい点としてはアライグマの耳のふちとヒゲは白く、タヌキは黒いというのもあります。こちらはさっきよりも更に細かい違いなので、見慣れない人にとっては決定打にはならないと思います。 アライグマの尻尾 ...

アナグマーアライグマと愉快?な仲間たち編

イメージ
身近な動物でアライグマとも混同さやすい動物の一つとして、アナグマの生態や特徴を紹介します。 記事作成: 2019.05.02/更新: 2020.08.25 タヌキムジナのムジナ アナグマ (かみね動物園) アナグマはイタチ科の中型動物です。体重は4~15kg程度と幅があり、大きさも日本国内でも幅があります。日本では本州から九州にかけて生息します。海外ヨーロッパからロシアにかけてユーラシア大陸全土に生息し、日本が最東端の生息地です。 大きな巣穴を作り、その巣を他の動物も利用します。春に子供を産み、秋には巣立ちます。冬になると活動を落とし冬眠に近い状態となりますが、九州など温かい地域では活動を続ける場合があります。身近な動物ですが、まだまだ分からないことも多い動物です。 ・夜行性 ・イタチの仲間で穴掘り名人 ・雑食性 ・ハクビシンと間違えられる ・九州では絶滅危惧? ※参考文献 農林水産省 「野生鳥獣被害防止マニュアル -アライグマ、ハクビシン、タヌキ、アナグマ- (中型哺乳類編)」 やっぱり夜行性 アライグマ、ハクビシン、タヌキなどの例に漏れず夜行性です。基本的には夜行性の動物です。 イタチの仲間で穴掘り名人 アナグマのツメ (かみね動物園) イタチと言えば俊敏で身軽で、木登りも得意です。アナグマもイタチの仲間なのですが、木登りは苦手です。その代わり穴掘りが非常に得意で、大きな巣穴を掘ります。ツメも発達していて、穴を掘るのに適した形となっています。この穴掘りに特化するために筋力が発達もしましたが、それが原因で俊敏さや木登りは苦手になってしまいました。 アナグマの幼い個体 (かみね動物園) 見た目もイタチがスラっとしているの対して、少しずんぐりむっくりという感じです。上の写真の個体はおそらくまだ若い個体なので、毛もフワフワで余計に丸っこいフォルムをしています。 アナグマの巣穴をキツネやタヌキが間借りすることがあります。これがいわゆる同じ穴のムジナというやつです。同じ穴には住んでいるものの、タヌキなど間借りする側が警戒することで鉢合わせすることを避けているようです。 ただ、この穴掘りが得意というのが若干厄介で、河川敷の堤防に穴をあけてしまうことがあります。堤防の芝生があまり張ってい...

アムールハリネズミー日本の外来生物たち

静岡県や神奈川県に生息するアムールハリネズミからペットのハリネズミまで、外来生物としてのハリネズミを紹介します。 日本で飼えるハリネズミの種類は少ない 最近ペットとしても紹介されることの多いハリネズミですが、日本で流通しているハリネズミは基本的にヨツユビハリネズミだけとなっています。これは見た目が他のハリネズミと比べて特に愛くるしいというのもありますが、殆どのハリネズミが未判定外来生物や特定外来生物に指定されているからです。 ヨツユビハリネズミの仲間は未判定外来生物 ハリネズミの場合種類ごとではなく、属単位というある程度まとまったグループで未判定外来生物に指定されています。指定されているのは、ヨツユビハリネズミを除くアフリカハリネズミ属、オオミミハリネズミ属、メセキヌス属(ダウリアハリネズミ属)となっています。 まず未判定外来生物の説明ですが、特定外来生物と違って繁殖や飼育や販売が規制されるものではありません。しかし、輸入は申請が必要で、その際に日本の生態系に悪影響を及ぼすと判断されると輸入が出来なくなります。なので指定されると輸入が難しくなります。 つまり未判定外来生物でも、ペットショップなどでの販売や個人で飼うのが規制されるわけではありません。国内で繁殖させたものであれば、ペットショップに流通させることが出来ます。ただ、ペットショップのホームページなどを見るとわかりますが、結構色々な動物が海外輸入に頼っています。また、将来的に特定外来生物に指定される可能性が高いのも、避ける要因かと思います。 そういった事情もあり今も輸入が出来、特に規制が無いヨツユビハリネズミが日本のペット市場では主流となっています。 余談ですが特定外来生物や未特定生物についての知識は結構間違ったものが流れていたりするので、環境省HPのリストで確認することをお勧めします。 ※参考文献 環境省HP「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律に基づき規制される生物のリスト【動物】」 ハリネズミ属は全て特定外来生物 4種類居るハリネズミ属は全て、飼育・販売・移動などが原則できない特定外来生物となっています。その中の一種アムールハリネズミが、既に日本に定着しています。今のことろ日本で確認されるのは、アムールハリネズミだけです...

ヌートリアー日本の外来生物たち

関西や中国の川でカピバラが居ると間違えられる原因になる生物、ヌートリアを紹介します。 カピバラじゃないよヌートリアだよ ヌートリアはげっ歯目つまりネズミの仲間です。あまり馴染みのない名前だとは思うのですが、中部以西でカピバラが居ると間違えられることのある生き物です。関東で間違えられるのは、マスクラットです。 大きさは資料によって幅がありますが、尻尾を含まない大きさが50~70cm程度で、尻尾が30~40cm程度です。カピバラほどの大きさではありませんが、モルモットよりも一回り以上余裕で大きく、ネズミの仲間でも大型なのが分かります。 元々はカピバラと同じく南米大陸に住む動物です。そのため寒さにはあまり強いほうではありません。外来種としては日本の他、北米大陸やヨーロッパの各地などに生息しています。日本では本州の愛知県から山口県にかけて生息しています。 雑食の動物ではありますが、食べ物は植物性のものが中心です。これはマスクラットと似た傾向です。ヨシなどの水辺に生える植物の茎や根の他、畑のニンジンやサツマイモなども食べます。それに加えて二枚貝なども食べます。 巣もマスクラットと似ていて、水辺に横案穴を掘ってトンネル状の巣を作り暮らします。 1匹のオスに対し2~3頭のメスと一夫多妻で、年間2~3回繁殖することが可能です。一度に5~6頭を産み、一年程度で大人になります。 ※参考文献 国立環境研究所ホームページ 侵入生物データベース、岡山県 「ヌートリア被害対策マニュアル」 ・海から山と水辺に住む ・稲を中心とした被害 ・共存できる外来種なのか? ・2度あったヌートリアブーム 海から山と水辺に住む ヌートリアは穏やかな流れの場所好むとされていますが、日本での生息状況の調査では様々な場所に住みます。海辺から山間部に、ため池や休耕田と水辺であればどこにでも住んでいます。 2018年に山口県で行われた環境DNAを使った調査では、山口県全域の河川で生息している可能性が示されています。また、1976年に発表された岡山県の調査でも、飼育場があったとされている沿岸部から少しづつ山間部に向かって広がっていく様子が報告されています。 ※環境DNA調査とは 生き物が住んでいれば必ず体の一部が環境中...

マスクラットー日本の外来生物たち

関東の川でカピバラが居ると間違えられる原因になる生物、マスクラットを紹介します。 カピバラじゃないよマスクラットだよ マスクラットはげっ歯目つまりネズミの仲間です。あまり馴染みのない名前だと思うのですが、関東でカピバラが居ると間違えられることのある生き物です。中部地方以西で間違えられるのは、ヌートリアです。 大きさは尻尾を含まない大きさが30cm程度で、尻尾が20cm程度です。なので尻尾を含まない大きさはモルモットと同じくらいです。 元々はアメリカやカナダと北米大陸に住んでいます。日本を含むロシアやヨーロッパ各国に毛皮用として飼育されてたものが外来種として定着しています。日本での生息地は埼玉・東京・千葉の県境付近の江戸川の水系が中心ですが、最近では埼玉県北東部の久喜市でも目撃されています。 雑食ではあるものの植物食を中心とし、その他に水棲動物も食べます。食べる植物は水辺に生えているものが中心で、ヨシの茎や地下茎など根も食べます。 巣は水辺に作ります。地面に穴を掘って巣とするため、堤防へダメージを与えることが心配されています。 年中繁殖可能ですが、3月と11月がピークです。年に5・6回子供産みます。 ※参考文献 安野翔,角田裕志「埼玉県における特定外来生物マスクラットの生息状況」、国立環境研究所ホームページ 侵入生物データベース ・似てる外来種ヌートリア ・ドイツネズミはパイロットのお供? ・よくわからない影響 ・イギリスでも一時増えたが… ・ヌートリアは増えたのにマスクラットはなぜ? ・駆除するなら今か 似てる外来種ヌートリア 日本に住む外来種で似ているものとしてヌートリアが居ます。確かに遠目で見ると見分けるのが難しいと思いますが、ヌートリアは中部・関西・中国地方にしか住まないので、生息地ではっきり判別することが出来ます。 ドイツネズミはパイロットのお供? 毛皮用で日本に持ち込まれたマスクラットですが、それは太平洋戦争中のパイロットの 服の素材にするためのようです。そしてその時の名前はドイツネズミだったとか。 また、ヌートリアは国策により太平洋戦争前から戦後にかけて養殖が試みられました。戦前・戦中は軍用の毛皮、戦後は毛皮と食用としてです。こう見ると導...

アメリカミンクー日本の外来生物たち

ミンクという名で名前だけはお馴染みの、アメリカミンクが日本に既に住んでいることを紹介します。 ミンクといったらあのミンク アメリカミンクはイタチ科の中型動物です。ミンク油や毛皮で有名な、あのミンクです。名前だけはお馴染みの動物です。体重はオスが1kg程度・メスが700g程度で、日本に元々生息するイタチの仲間のテンよりは小さく、イタチよりは大きいといった具合です。 名前の通り元々は北米大陸に住んでいましたが、毛皮用に飼育していたものが逃げ出しました。1950年代には日本全国で飼育が行われ、北海道では1960年ごろには定着が確認されています。今では北海道の広範囲のほか、宮城県・福島県・宮崎県・鹿児島県に、栃木県や群馬県の一部でも確認されています。上に挙げた県以外にも少数が住むようなってると考えるのが自然です。アライグマやハクビシンのように、徐々に生息域を広げていく可能性があります。 雑食で済む環境に応じて食べ物を柔軟に変えることは出来るものの肉食に近いため、様々な動物を捕食し数を減らしてしまうことが心配されています。 ・カワウソ騒動を起こした ・外来種が外来種を食べる ・一部では高密度で生息 ・本当は夜行性なのに昼も活動する ※参考文献 環境省ホームページ 特定外来生物の解説 アメリカミンク 確かにカワウソに似てる姿・生活 毛皮用に様々な色の品種がいますが、日本で野生化しているのはほぼ真っ黒の北米に住む野生種に近い色です。 アメリカミンクは雑食で植物性のものも食べますが、動物性のものを主に食べます。日本に住むアメリカミンクの調査では、水辺に住む動物をよく食べザリガニなどの甲殻類を好み魚やカエルも食べます。その他に虫やネズミに鳥と、陸に住む生き物も食べます。魚などを食べる際は、水深5m程度までで長さ20秒ほど潜水することが出来ます。 水辺に住むのを好み、川・湖・海と水の近くに巣を構えます。木や岩の下や土の巣穴に住みます。実際釧路湿原での目撃例でも、湖の釣り人やカヌーをする人が多く目撃しています。 この特徴からカワウソ騒動も起こしました。栃木県の那須でカワウソが居るらしいという話が出て、調査の結果はアメリカミンクでした。姿がイタチ科で遠目で見れば似ている上に、水棲動物を好んで食べたり水に潜ったするので、動物に詳しくない人...

他の動物にどんな影響が?-アライグマと他の生物編

アライグマの生息拡大で影響を大きく受ける生物が居るのも事実の反面、まだわからない部分があるのも事実です。今回はそれらについて注目します。 鳥類 アライグマに影響を受ける例として挙げられるのは鳥類です。北海道のアオサギのコロニーが被害を受けて営巣(巣を作ること)を放棄したとされる例は、とくによく挙げられます。北海道アオサギ研究会さんがアップしている報告書を見ると、アライグマが鳥の巣を進入している写真を撮影されています。 小鳥も大きな影響があるでしょうが、元々蛇やイタチにテンに同じ仲間の鳥類と天敵が数多くいます。なので元々天敵に気を配っているでしょうが、アオサギのような大型鳥類だと体が大きいのである程度の天敵には対抗できるはずです。そこへ新しい天敵が現れたとなれば、特に影響も大きいと思います。 対策としては鉄板を木に巻き付け、アライグマを登れなくするようなものがあります。営巣する木が決まっているなら良いのですが、そうでない場合は対策が難しいところです。 もっともアオサギを含むサギ類に限って言えば、生息数は増えている傾向にあると言われています。しかし、身近な動物の大半が正確に調査されていないように、サギ類も同じです。鳥類の中では比較的調査されているほうだとは思うのですが、生息数が増えているというのをどこまで信じてよいか難しい部分もあります。 アライグマ以外の要因 アライグマが大きな影響を与えている可能性は高いのですが、その他の要因も見過ごしてはいけません。 農薬の影響で餌の昆虫が減っていることや開発により、世界的に鳥全体が減っています。これは日本でも同じことが起きてると考えるのが自然です。もう一つは良い話で日本ではタカなど猛禽類の保護が進み、一部地域では数が増えています。それにより巣の場所などの生態が本来の姿に戻り、変化が見られていることです。 こういった他の部分も考慮しながら、影響を見極め対策していくことが必要となっています。 サンショウウオ 影響を受けているのがはっきりしているものの一つが両性類です。被害がよく確認されているのはサンショウウオの例です。サンショウウオの仲間は色々いますが、流れが穏やかな場所に住むトウキョウサンショウウオは被害の報告が上がっています。 アライグマはサンショウウオ自体を食...

一年でどんな動物が来た? 定点観測2019

イメージ
センサーカメラに映る動物からその月にどんな動物が現れるか、調べてみたました。一年を通してカウントしましたが、季節ごとに同じ場所でも現れる動物の種類が変わることがわかります。 季節で変動する出現動物 観察しているポイントは関東公開の某所で、河川敷の近くです。 日の入りから翌日の日の出までを夜、日の出から日の入りまでを昼とします。カウント方法としては個体識別は難しいので、例えば昼にタヌキが現れたら1匹でも2匹でも昼に1ポイントとというカウント方法とします。なので種類ごとの一日あたりの合計の最高値は、昼夜合わせた2ポイントとなります。 例)1 夜3時にタヌキ1匹・昼にタヌキ2匹→2ポイント 本当は映ってる動物の個体識別をして、何匹現れるかなどできればよかったですが、それは画像の鮮明度で断念しました。なのであくまでも動物の出現傾向の目安という具合です。 寒い時期はネコが多い 1月 2月 ※1月30日~2月5日はメモリーカードの容量オーバーで記録なし 3月 ※3月20日~25日はメモリーカードの容量オーバーで記録なし 1月と2月はネコがとにかく現れます。温かい季節になるとネコは減るので、冬季のみ依存する餌がある可能性が高そうです。 アライグマは冬季半冬眠状態であまり動かないという、一般的に言われている習性と合致します。 タヌキが不思議で冬眠はしないので活動しているはずなのですが、2月から出現回数が減っています。アライグマ同様に活動量を落としてる可能性もありますが、アライグマの出現数が回復している3月でも同様の傾向なので、餌場を観測地付近から変えている可能性が高そうに思えます。 鳥類を中心に種類の増える春 4月 5月 6月 4・5月の新緑の季節になってくると、鳥類を中心に見れる種類が増えていきます。アライグマも気温が上がるにつれて活動が活発になっていくようです。一方タヌキは5月からやっと見られる回数が増えていきます。 両者のこの傾向は餌だけでなく、繁殖期も関係しているのかもしれません。地域やその年の気候によっても変化しますがアライグマは5月頃までに、タヌキは6月頃までには出産を終えている傾向にあります。この地域での正確な時期は分かりませんが似たよう時期...

外来種はどうやってやって来るのか?

人が連れてきてその地域に根付いた生き物を外来生物と言っていますが、やって来る方法は様々です。今回はそこにスポットを当ててみたいと思います。 意図する時もしない時もある ・何かに付着してやってきた ・家畜や農作物として持ってきた ・持ってきた動物が何等かの理由で逃げ出した ・故郷や海外の生物をただ見たいから ・外来種にくっ付いて別の外来種が来た 簡単に説明すると以上のようなパターンがあると思います。 何かに付着してやってきた 事故的に持ち込まれたパターンです。このようなパターンで多いのは、植物の種、昆虫や小動物のような小型の生物、菌やウィルスのような目に見えない生き物です。 皆さんもご存じの通り植物の種はだいたい小さいものです。そして服にくっ付きやすいものもあります。なので、衣服や荷物にくっ付いたものが運ばれ、別の地域に根付くことがあります。羊毛が盛んなヨーロッパでは、羊毛に付着して生息地を広げた植物もあるとされています。 昆虫や小動物の場合は、荷物に自ら潜り込んで来て意図せず運ばれます。身近な生き物で言えばネズミです。船の荷物に紛れ、古くから世界中に広がっていきました。また、最近だと毒アリ騒ぎを起こしたヒアリも、コンテナに紛れ分布を今も広げています。変わり種だとヘビが、ちょうどよい暗がりを求めて飛行機や船に紛れたりします。 外来種とは少し違いますが菌やウィルスの場合、物に付着していてたり密航してきた動物に感染した状態で運ばれてきます。 家畜や農作物として持ってきた 人が生きるために食べ物や作業用として持ってきたパターンです。 羊、豚、牛、山羊などは放牧することで比較的簡単に食べ物や毛を得ることが出来、馬は交通網が発達するまでは移動手段として重宝されてきました。そのため世界中で古代から現在まで飼育されてきました。必ずしも囲いがしっかりしている場所ばかり放牧されていたわけではないので、逃げる個体もいます。また、人間が何らかの理由で放牧していたところから撤退するしかなくなり、家畜だけが取り残されることもあります。そうした動物たちが野生化し、外来生物となります。日本だと小笠原諸島の山羊などがあります。 余談ですが現在純粋な野生のウマは居ないと言われています。家畜化した馬が野生化した...